[R18][SenShima] 一目ぼれした美人のワンナイトの誘い方...?

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Author: 塩らっきょ。

Link: https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22173581

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ATTENTION

この作品はnmmn作品です。
意味のわからない人はバックで。

ルールを守ってみんなで楽しみましょう
sm右増えろぉ〜!!

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「そのカクテルの意味、教えてあげる」

“ シェリー ”

友人が働いているバーには、ちょこちょこ遊びに行く。
話すのは楽しいし、酒はもともと好き。
それにここは椅子がなく立ってお酒を楽しむ席が多いから、女性のキレイな足がよく見える。
今日も店に入り、友人のいるカウンター席に向かおうとして足が止まった。

「えっ…え、まじかっ」

美人がいた。
そりゃあもう、この人しかおらん!!ってほどの。

いや、見えているのは後ろ姿だけなんだけど。少しだけ顔を横む向けた時に見えた綺麗な顎のラインと、ふっくらした大人の女性らしい唇。
一言でいうとエロい。

まわりで違う女に声をかけているやつらが、なんでこの美人に声をかけないのかと三時間くらいは考えこめるくらいの美人さん。
背は結構高いと思う。
多分、俺と同じ…?いや、もっと高いな。

まわりの男は自分より背の高い女には興味ないんかな?
あぁでも、声をかけるならもっとほいほいついてきそうな女にするか…。

とにかく目の前の美人は俺の好みドンピシャすぎてやばいのだ。
すらっと細身の高身長、黒っぽいスキニーパンツは足をよりキレイに見せる。

少し長めのニットで隠れた尻。そのニットも細身で体のラインが出てる。ウエストのあたりでくびれて、小さめだけど形のいい尻が、それからスタイル抜群の足。

それからそれから、明るい黄色のショートカット!!
少し長めの襟足でうなじが見え隠れするのもいい。
右耳に指で髪をかける女性らしいしぐさ…いいっ!!
極めつけは

「もぉ、うらたんはいけずやなぁ」

少し高めの京都弁。
周りの音がうるさくてほんの少ししか聞こえへんかったけど。やばい、こんなにどタイプな人そうおらんて。

カウンター席で店員であり俺の友人であるうらたさんと話しをしていた美人は、ひらひらと手を振って少し離れた席にひとりで立ってお酒を楽しんでいる。

ひとりかっ!?相手はおらんのっ!?
いつもはうらたさんと話にきてるし、女性は見て楽しむもん、声はかけたことなかったけど…
今行かんかったらいついくねんっ!!

「あ、志麻くんおつかれ。また来たの?あいかわらず暇人だね」

「うらたさんっ!!」

「うわっなに興奮してるのっ!?キモちわるっ」

なれた手つきでカクテルグラスを拭くうらたさんは俺の姿を見つけてすぐに声をかけてくれた。
そうか、うらたさんにどんな人か聞けばいいのか!
さっきあの美人、うらたさんのこと愛称で呼んでた気がするから少なくとも仲はいいのだろう。

「うらたさんっ!さっき話してた美人について聞かせてやっ!?」

「さっきの美人?」

「うらたさん話とったやろ!明るめのショートカットでニット着とった背の高い美女!!」

「ショートカットにニット…え…あいつのこと…?」

うらたさんが指をさした席でこちらに背を向けながらグラスを傾けるその人。
うん、やっぱり好き。
うらたさんが女性をあいつ呼ばわりするくらだからやっぱり仲がいいのだろう。

「え?志麻くんあいつの顔ちゃんと見た?」

「いや、斜め後ろくらいだけ。え?なに、正面ブスとか?」

「うーん…ブスかと言われるとめちゃくちゃ美人」

「やっぱりぃ!?あの感じはやっぱ正面からも絶対ええよな!?」

「でもあいつおと………いや、まぁいいか」

ずっとなにか腑に落ちないような顔をしているうらたさんが、言葉を詰まらせる。
なんやそれ、そのいいかけてるのめちゃめちゃ気になるやん。
うらたさんが言うくらいの美人なんだから本当に美人なんだろう。今すぐにでも声をかけに行きたい。

「おと?おとがなんやねん、気になるやろ」

「いや…あーほら、男いたことないっぽいからいいんじゃね?」

「まーじーっ!?あれで彼氏おらんのっ!?やばっすごっ」

「…うん、あいつから男いるって話は聞いたことないよ…。俺、嘘は言ってないから…うん…」

まぁ、声かけてみれば?なんて押されればなんか行ける気がしてきた。こんな二度とない機会。
まずはワンナイトで十分、そこから距離を縮めて、もう一度会っていただけませんか?っていければ、あわよくばあの美人の彼氏にっ!なんて。

完全に浮足立ってる俺に、はぁ…とうらたさんが息をつく

「ほんと志麻くんってイケメンなのに残念だよね、見る目あるのに見る目ないっていうか…」

「え?なに、全然わからん」

「いやまぁ、あいつ自身はいいやつだし、いいんじゃね?」

だからなんやねんその苦笑いみたいなの。
あ、もしかして俺なんか鼻で笑われて終わりやと思っとんのやろ。なんや身長が足らんからか?うらたさん人のこと言えへんやろ。
知っとるでうらたさん、その身長のくせに結構モテモテなこと。
俺やって顔には自信あんねん。身長なんて顔と声でカバーしたるわ。

「うらたさん、酒ちょうだい、強いやつ。」

「え?いつものロングカクテルじゃなくて?もしかして酔った勢いで行くつもり?」

「何言っとるんちゃうわ。あの人飲んどるのショートカクテル言うやつやろ?少なくとも酒詳しいよな?そんな隣にダサい酒もっていけるわけないやろ」

「あー…なるほど。で、何欲しいの?」

「なんかいい感じで誘えそうなん頼むわ。俺、酒には強い方やけどオシャレなカクテルとかあんま知らんし…」

「まぁいつも俺のおすすめで出してるだけだからね」

はい、と手渡されたショートカクテル。
薄い赤色が揺れるそれは、やっぱり詳しくない俺にはわからないけど。
とりあえず行ってくるわ、とグラスを持った。

「志麻くんはもっと人を疑うってことを覚えた方がいいよ、ほんと」

緊張しながらあの美人に向かっていく俺にはうらたさんの声なんてもう届いていない。

「志麻くんの顔、絶対センラのタイプなんだよなぁ…あーあ、そんなやつの前で”シェリー”なんて飲んだらどうなるか。この店に来るならちゃんとお勉強しとかなきゃダメだよ」










◇◇◇◇








「あの、一緒に飲みませんか?」

できるだけ大人っぽい雰囲気を出して、自然な流れで隣にグラスを置いた。
店の端のほうの席。近くに人がいなかったから声をかけるには最適の場所だった。
返事を聞く前に隣に立って思う。

あれ、思ってたより背でかいな…もしかして175ちょっとあるか…?

「ええよ?」

少し高めの京都特有のなまり。

「でも、自分なんかでええんやろか?」

あれ、ちょっと、思っていたのと違う。
ちらりと、初めて顔を見る。

「えっ…」

「ふふっどないしたん?そんな狐に化かされたような顔して」

細められた切れ長の目、筋の通った鼻に、ふっくらとした唇。
目が離せないほどの美人。美人なのは、確かなんだ。
好みの顔であることは確かだし、予想していたよりもずっと素敵だったんやけど、これはかわいいっていうより…

かっこいい…。

「お兄さんええの飲んどるねぇ、そんなん誰にもらってきたん?」

「うらたさんが、」

「へぇ、さすがうらたん。センラの好みよぉわかっとるわ」

キラキラと、イエローサファイアのような瞳が、俺の視線を足ら得た瞬間、蜂蜜のようにトロリと甘く溶ける。
目を疑うような美人。だけどこの人は絶対に女性、ではなく…男性だ。

「それにしてもお兄さん、わざわざ自分なんかに声かけるなんて物好きやなぁ。お兄さんほどかっこよかったらもっと選び放題やろ?」

「いや、そんなこと、」

「ほんま?センラが女の子やったら絶対放っておかへんのに」

ほんまにイケメンさんやねぇ?って、距離を詰められた。
隣にならんで腕がぶつかってしまう距離、なんだか雰囲気にのまれてドキッとしてしまう。

「お名前、聞いてもええ?」

「…志麻、やけど、」

「志麻くん。名前までかっこええんやね。自分はセンラって言います。好きに呼んでええよ?」

「…センラ、さん…」

「ふふっ、なぁに?志麻くん」

するっと、自然に腰に手が回されて、ぐっと引き寄せられた。
ばくっばくっ…と今までに聞いたことない音でなり出した心臓に、脳が警告音を出す。
最初の作戦で、志麻が美人さんにしようとしていた流れ、全部やられたっ…。
それもすごく、スマートに。

相手に断る隙をあたえない、それでもって強引には見えないように、逃げられないような、距離の詰め方。
腰を抱く手になんだか意識が持っていかれて、徐々に体が熱を帯びていく。

「志麻くんお酒強いんやねぇ!センラのも飲んでみて?”XYZ”ちょっと度は強いけど、大丈夫。」

緊張から少し震える手で自分でもってきたカクテルを一気に流し込めば、美人さん…あらためセンラさんは、逆三角形のショートグラスをすっと目の前にスライドさせる。
うっすらと白く濁ったそのカクテルからは、俺のもっていた赤いカクテルなんかよりずっとアルコールの香りがした。

「これ、けっこうキツいんや…」

「志麻くんがもっとったやつより少しだけ。ちょっと酸味があるからキツく感じたんやろね。志麻くんは甘い方が好きそうやね。”シェリー”もう一度頼もか?」

シェリー、うらたさんがさっきくれたやつ、シェリーっていうんや。
でもうん。それの方がおいしかった。

ショートカクテルなんてそう何度も飲むものではないのはわかってる。自分のと、それからセンラさんのもうまい具合に飲まされて。
余裕のない時に飲む酒ほど、回るものはない。

「うらたん、ええ?」

センラさんが、俺の腰をささえる手と逆の手を軽くあげてうらたさんを呼ぶ。
カウンターの方を見ようとして、態勢を変えようとすると、思ったよりも酔いが回っていた俺はバランスを崩した。

「酔ってきちゃったん?ええよ、センラに体預けて?支えとくから」

腰に添えるだけだった腕に力が籠められる。
もっと引き寄せられて、完全にセンラさんに体重を預けるみたいに立つ。さっきまでは細いと思っていた体が、以外にもしっかりしていたことに気づく。
広い肩、ニットの下に感じる筋肉のついた胸板。
それを感じてしまって、きゅう、と唇を結ぶ。

「注文?」

「はい。志麻くんにもう一度”シェリー”を」

「…センラお前さぁ…」

「こうなるように仕向けたんはうらたんやろ?今更、俺のやり方に口出させへんで?」

うらたさんがなんとも言えない顔でこっちを見てる。
声かけようとして、やめる。頭がふわふわして、体が熱くて。
目の前がほんの少しだけくらくらして。

動くのもおっくうだ。ちょっとだけ、酒に酔ってる。
気持ち悪くない、今の状況が気持ちよくて。
少し考えるようにうらたさんは、次はこっちに聞いてくる。

「志麻くん、本当に飲むの?”シェリー”」

「…?甘くて、おいしかったから、」

「意味わかってる?」

意味?そういえばカクテルにはそれぞれカクテル言葉ってのがあると聞いたことがある。
うらたさんがこれをくれた時、お誘いするのにぴったりだと言っていた気がするけど…

「うらたん、それはセンラから教えるんで」

「あー…そう。お前のことだから心配はしてないし俺は止めないけど、普通の店と普通の女の子だったら止めてるとこ」

「わかっとるよ。今夜だけ」

何もわかっていないのは志麻だけ。
なんだか二人だけがわかったように話すのがずるくって。早く教えてって意味を込めてセンラさんを見上げる。
身長差は、10センチくらい。少しだけ首をこてん、とずらすだけでちょうどいい。


「せんらさん、志麻…シェリー飲むから、しまにも教えて?」


さっきまで、大人っぽいふんわりとした笑みを浮かべていたセンラさんの表情が固まって、ぎぎぎ…っと錆びたボルトみたいに首を動かしてうらたさんを見た。

「なに…?志麻なんか変なこと言ったん?」

「いや、全然、ぜんぜん変やないよ、むしろかわっ……うらたん!なんなんこの子っ!?この子ほんまにちゃうんよな!?」

「うん…俺も心配になるくらいの無自覚っぷり。根っからの女好き。男専門じゃないよ」

「…まじか、まじかこんなんで女抱けんの…?えぇ…?」

くらくらする頭には、都合のいいことしか入ってこない。
センラさんとうらたさんが何をいっとるのは知らんけど、あのお酒のふわっと香る甘さは癖になってしまいそうで。早くもらえないかな?ってグラスを指でつつく。
まぁいいや、ってグラスを持ってきたうらたさんは俺じゃなくて、センラさんの前にグラスを置いて足早にその場をさってしまった。

「センラさん?」

「…志麻くんが、どんなつもりで俺に声かけてくれたんかは知らんけど。」

センラさんは志麻のために頼んだはずのシェリーを一口喉に流すと、唇に残った甘さを舌で舐めとる。
そのわざとらしくない自然なエロさに思わず目を奪われて、吸い込まれるように見つめてしまった。
店の端の方、壁際の席、カウンターに背中を向けてしまえばこっちを見てる人なんか誰一人いない。
それをいいことに。

「逃がすつもりはないで?…まぁ、逃げるつもりもなさそうやけど」

「え…?っん、んぅっ…ッ!?」

もう一度口に含まれた赤い液体。次はセンラさんの喉を通ることはなくて、気づいたときには目の前にあったキレイな顔。
唇が重なり合っていると理解できたころには、喉の奥に熱いアルコールが一気に流し込まれていた。

「教えてあげる」

コクっ…と喉を動かしてあたえられた甘いそれを必死に飲み込んだ。
鼻に抜ける独特な風味に、普段飲む酒よりも強く香るアルコール。
くらくらする頭に、柔らかく響く艶のある声。

「シェリーのカクテル言葉は

”今夜はあなたにすべてを捧げます”

志麻くんは、最初からセンラに食べられる気満々やったんやで?」

俺の濡れた唇をセンラさんの細くしなやかな指先が拭って、少しだけ乱れて顔にかかった髪を耳にかけてくれて。

「んっ…」

髪をかける指先が耳の後ろを遊ぶように、スリっ…と触れていく。
くすぐるようなそれに思わず声が漏れて体をひねれば、妖美な彼が耳に唇をよせて

「場所、変えよか…?」

それは、悪魔のような囁き












腰を抱かれて流されるままに店を出たところまでは意識がはっきりとしていたと思う。
呆れたような顔をしたうらたさんが、しっしっと厄介払いでもするようにセンラさんに手を振っていたのを、ぼぉーっと見てた。

「志麻くん大丈夫?休めるとこ連れてったるからね」

熱を帯びた目尻を優しく撫でられて、その時にふわっと香る甘い柑橘系の香水にもっと酔いが回った気がした。

「ほんまに逃げないんや?わかっとるやろ、これから何しようとしてるかくらい」

オシャレなバーの街を少し抜けた先。
路地を一本抜ければ、ピンクのネオンがずらりと並ぶ。
その中でも一番綺麗な建物に腕を引かれて、気が付けば触ったこともない大きくてふかふかのベッドに倒されていた。

「っ…センラさん」

「ふふ、心臓の音すごいで?緊張しとる?」

するすると体の線をなぞるようにすべる指先が胸の上で止まって、本当にいいの?なんて止める気はないくせに。
着ていたシャツのボタンをひとつずつ丁寧に外していく。
ちゅ、とかるく口づけられて「お酒の匂いやね」なんて蜂蜜みたいな目に見つめられれば

「やって…センラさんのせいやろ…」

なんて返すので精一杯。
シャツのボタンを全て外して、肌に直接触れたセンラさんは、着ていたニットを脱ぎ捨てる。
細身に見えていた体は思ったより肩幅があって、引き締まっていて、でもムキムキってわけじゃなくて。
言うならば理想のエッチな男の人って感じ。

「そんなに見んとって?志麻くんの可愛い顔で見つめられたらドキドキしてまうわ」

「あ、しまも、」

「ん?」

「しまのほうが、ドキドキで、しんじゃいそう」

はだけた自分のシャツをきゅう、と控えめに握って思ったことを伝えれば、センラさんは驚いたようにパチパチと目を瞬いて、それから嬉しそうにすっと目を細めた。
厚い唇を舌なめずりして、邪魔そうに髪を耳にかけたそこで、シルバーのピアスが揺れる。
その全部が自分を熱くする。

「はぁ…なんなんもぉ、かわいすぎやろ…」

最初は美女に触れたいなんて思って声をかけたのに、いつの間にかセンラさんに好きにされていて。
別に男同士に偏見があったわけじゃない。好きならええやんなんて思ってた方だし、でも自分の好みが足がキレイで、腰が細くて、美人で、そんなん、女性しかおらんと思っとって。
だから自分の好みドンピシャ以上の人がいるなら男だって、俺は、別に…

「センラさん…かっこええ…」

「そんなこと言ったらあかんよ?離してあげれんくなるやろ」

「…はなしちゃうん?」

「今ので離したくなくなった」

もう一回、今度は今までよりも少しだけ荒いキス。
今まで誰かにリードしてもらうことは無かったけど、してあげるより、してもらう方がずっと気持ちいい…

自分はこのベッドに身を投げて、センラさんに委ねていればいい。
そしたらほら、まだキスだけだっていうのに今までで一番体が火照ってる。

「んっ…ふ、ぁッ、」

「胸触られるの、好き?」

「わからんっぁ、ぅ、でもっ…センラさんにされるの、全部きもちええ」

「もぉ、どんだけ煽れば気がすむん?」

胸の飾りを指で弾かれて、今まで感じたことのないピリっとした刺激に声が漏れる。
俺が快感を得ているとわかったセンラさんは、そこを何度も触れながら器用にズボンを下着ごと抜き去った。

「すっごいおっきくなっとるね?触ってもええ?」

「ん…さわって」

「素直やね。かわい」

腰をなでた手を、俺の口元にもってきて指を出す。
何も言わないけど多分、舐めてってこと?
こう?って小さく口を開いて見上げれば、優しく微笑んだセンラさんが「ええ子やね」って少しだけ差し出した舌に指を絡めた。

細いけど、関節のところが骨ばっていて長い男の人の手。
三本くらい口いっぱいに入れて唾液を絡めれば、抜かれた指先から唾液が糸を引く。

「濡れてないと痛いもんなぁ」

どろどろの手はそのまま、俺の立ち上がったそこを握りこんだ。

「ッ…んっ、はっ」

「志麻くんが舐めてくれたおかげですべりええよ?ほら、ここからも溢れてきた」

「あっや、まってっそこ、ぐりぐりせんとってっ」

「こういうの、気持ちよすぎて自分ではあんまりしいひんやろ?俺がやったるから、ほら…力抜いて?」

「あッ、やっセンラさっっ…んんっぁッいややっ、ぁ」

自分で抜く時はゆるく気持ちよくして、達して一息ついてって感じだったから、強い快感に声を出したり腰が跳ねたりなんて経験したことなんかない。
先端を指の腹でぐりぐり押されて、跳ねる体は上からセンラさんに押さえつけられて快感を逃がせない。

「やッぁ…せん、らさっあッ、きついっ、まって、ッ」

「気持ちいことあんま慣れてないん?それならゆっくりしてこうか?」

「んっはぁーッ、ん、ゆっくりがええっ、せんらさ、」

「よしよし、ごめんなぁ志麻くん。あまりにもかわええからちょっと意地悪してもうたわ」

気持ちいを通り越して強すぎる刺激に首を振ってセンラさんの腕をカリカリとひっかけばすぐに気が付いてくれて、髪をなでてくれた。
やっぱり、優しい…。

「志麻くん、こっちは怖くない?」

立ち上がったそこからドロドロの液を掬い取って、自分でも触れたことなかった秘部をトントンとノックする。
わからない、触ったこともないから、怖くないと言えば嘘になる。
でも…

「怖いけど…大丈夫、センラさんの、好きにしてええよ…?」

センラさんの指が、つぷっ…と沈む。
決して入口ではないそこは違和感しかなくて、ヒッと引きつった声が出て思わずセンラさんにしがみつく。
細い指一本分。目で見るだけだとそんなに太くないはずなのに、内側を徐々に進むそれの圧迫感は異常なほど。

「んっぅ、~~~はッ、はぁッ」

「もうちょっと頑張ってな?絶対気持ちよくしたるからね」

カリ、っと内壁をひっかくのが、ぐっと指を曲げる感覚が、ダイレクトに伝わってくる。
はくはくって浅い呼吸を繰り返す俺の気を逸らそうと、センラさんはこっち見て?って唇を重ねた。

「志麻くんはどうしてセンラに声かけてくれたん?うらたんに言われて?」

「はっはッ…ちゃう、しまが、言ったんっ…」

「どうして?もっと可愛い女の子もおったやろ?」

「しまが好きな美人さん、センラさん以外、見えへんかったぁっぁ…」

「ふふっ嬉しいわぁ。志麻くんが話かけてくれた時、センラもこんな素敵な人おらんって思ったんやで?」

ちょっとした会話の間にも、大丈夫?息吐いて?って耳元で。
それに、うんうんってうなずくだけの返事をして目を合わせる。
センラさんの淡い黄色くきらめく瞳に反射して、見たことないくらいドロドロに呆けた自分の顔が映って思わず目をそらした。

「っ…んっせんらさ、誰でも…優しくするん…?」

「せんよ。誘いに乗ったのも、こんなに甘やかしてあげたくなるのも、志麻くんだけ」

「っ…うれし」

思わず頬が緩む。

こんなに優しくてかっこええのに、俺だけやって。
センラさん、しまだけやって

額に落とされたキスにほっと力を抜けば、いつの間にか二本に増えていた指が中を広げるように動いた。
気を紛らわせてくれていたおかげて苦しさはだいぶなくなっていて、そしたら次はなんだか中がじくじくと疼いてくる。

「志麻くんはあのカクテル、飲んだことなかったん?」

「ん、え?ぁっ…いつもはっうらたさんのオススメでっ…んっはッ、ロングカクテル?ってやつでっ…んっぁ、」

「じゃあ急に強いの飲んだから酔っちゃったんやね?」

「でも…しま、あれすきやったっ…シェリー…ぁっあッんぁっっ」

「もぉ…シェリーの意味教えたやろ?もうセンラの前以外で頼んじゃあかんよ?」

最初は普通に話せていたはずなのに、だんだん息が上がって、声が漏れて、体が嫌ってほど跳ねて。
お話したくても口を開けばこぼれ出るのは嬌声だけ。

「はっまたっ…せん、らさっ…ぁっ、と…のみたいっ…ぁっ」

きもちいっ…きもちい、
甘く痺れる体でセンラさんにすり寄って腕にきゅうって力をこめる。
中にあるたくさんの指が奥をぐっと押すたびに「あぁっっ」なんて止まらなくなった声が口から洩れて。

最初は苦しかったはずなのに、いつの間にか快感を拾っていて。
傷付けないようにとゆっくり動かしてくれる指だけじゃ物足りないとでも言うように自分の意志とは関係なく腰をくねらせる。

「志麻くん、気持ちええの?」

ふふっと甘い笑顔を見せるセンラさん。
なんでそんなにかっこええん?なんでそんなに余裕そうなん?
なんでしまだけ、こんなになってるん?

「きもちっ…きもちいから、せんらさんもっ…きもちくなって…?」

純粋な思いで伝えたのに、またセンラさんは
「どこでそんな言葉覚えたん?」
なんて興奮したような目で志麻を見下ろした。

ゆっくり抜けていく指先に待ってって言うようにきゅうっと吸い付く中に、センラさんはやっぱり笑って、それから腕を引かれた。
ベッドに座ったセンラさんのひざの上、向かい合うようにして座って。
ぐっと近づいた顔の距離に無駄にドキドキさせられて

「この体勢やと、ずっとぎゅーってできるやろ?」

「え?おん…センラさん、ぎゅーすきなん?」

「んー?志麻くん、くっつくの好きそうやなぁって」

「ん…すき」

なんでわかったんやろ?
志麻のこと、全部わかってるみたいや…。
さっきから体が離れていくたびに少しだけ寂しいと感じていた。

熱を帯びた体が急に冷えてしまった気がして嫌で。
離れないでって思いで首に腕を回して。

「このまま腰を落とせる?支えたるから」

「できるっ…」

センラさんの肩に両手をついて、言われた通りに腰を落とせばさっきまで指でひくついていたそこに熱いものが触れた。
まだ入ってすらいないのに大きさのわかってしまったそこに少し体を引けば、支えられていた手で腰を引き戻される。

「大丈夫。ゆっくりでええよ」

「せんらさっ…これ、ほんまに入るんっ…?」

「さっきあれだけほぐしたんやもん。志麻くんなら上手にできるで?安心しぃ」

体重をあずけてゆっくり腰を落とせば、くちゅっと入口が音を立てる。
はぁーって大きく息を吐いて力を抜いたら、くぷぷっ…と耳に残る水音と、さけるんじゃないかってくらいの圧迫感。

「、せん、らっさんっはぁッ、ぅ、」

「はぁっ…きっついなぁっ…」

「あっぁ、せんらさんっ、その顔、かっこええっ…っ」

くるしい
中が全部押し出されるみたいに苦しくて息ができない。
だけど初めて見せてくれた余裕のない顔。
苦し気に息を吐いて俺を見るその顔が、さきまでの美人さんやなくて
額にじんわり滲んだ汗と、細められた目と、乱れた呼吸と、今にも腰を突き上げたいって我慢してる顔がかっこよくって。

もっと見たいっ…
そう思ってしまえばもっともっとって自分で腰を落としていく。

「ぁッ…はぁっん、~~~~ッはっ…あッ」

「ちょっ、志麻くんっ…あんま無理せんでっ」

「むりやっないっ…んん~~っはぁッッ」

息が詰まる、けど、ここまで来たらちょっと自棄になって。
ちょっと!ってセンラさんに腰をもって止められた頃には過呼吸かってくらい呼吸が乱れてた。

「頑張ってくれるんは嬉しいけど、二人で気持ちよくならんと意味ないやろ?」

「はっはッ…ぁ、あ、」

「最初は動くよりゆっくり馴染ませてったほうが気持ちええよ?ほら、こうやって…」

「えっひッ…ぅぁあっっ、なっなにっ」

センラさんが強く抱きしめてくれて、背中をぽんぽんと落ち着かせるように叩いてくれる。
それから、くって腰を動かせばさっき指で散々押されたところに大きいものが押し当てられて、痺れるような快感に背中をそった。

「ん、思ったより良さそうやね?ええやろ、これ。ゆっくり慣れてこうな?」

「あッ…せんらさっ…ぁっんんっぁ、」

「きもちええ?」

「んっんッ…せんらさん、はっ…?きもちっ?」

「ええよっ…志麻くんの中、熱くて狭くて、最高にきもちええ…」

「あっあ…うれしっ…んっ」

志麻くんかわええねって、すっごいきもちええよって甘く耳元で囁かれて。それから深く口づけを。

口内も、耳も、中も全部満たされていっぱいいっぱいで、ぽやぽやとした頭ではそれ以上のことは考えられなかった。
覚えているのはキスで香るアルコールの味と、
わけもわからず口に出した

「…すきっ…」

って言葉だけ。







◇◇◇◇






side ur

「志麻くんさぁ…変わったよね」

「ん…?どこが?」

「いや…自覚がないんなら別にいいんだけどさ」

いつもと変わらず店に顔を出してくれる志麻くんは、あの夜からどこか少し変わったように見える。

女性客の足にばかりに取られていた視線は、よそ見せずに俺の出した酒を見てるし、前までは気になっていなさそうだったカクテルの名前と意味を聞いてくる。

男っぽいすらっとしていた服装は、ぶかっとしたオーバーサイズのニットなって、袖で隠れた手がなんかちょっとかわいくも見えてくるほど。
何が言いたいかというと

まぁ、わかりやすよなぁ…

なんて。
よく可愛いと言い続ければ可愛くなるとか、キレイと言い続ければキレイになっていくとか聞いたことあるけど、知り合いの情事とか考えたくないけど恐らくそういうことなんだろう。

「で?なんでXYZなんて頼んだわけ?」

甘いのが好きなはずの志麻くんが、珍しく注文をしてきたと思ったらあの時センラが飲んでいたショートカクテル。
苦みの強めなこのカクテルは志麻くんの好みではなさそうだけど…

「センラさんが、これ飲んで待っててって言っとったから」

「あー…なるほどな」

志麻くんはわかってそれを言ってるのか知らないけど。
さすがはあの独占欲の強いセンラだなぁ、て感じ。

XYZのカクテル言葉は

”永遠にあなたのもの”

それをセンラを待つ彼に飲ませるなんて。
センラに一度捕まった志麻くんは、もうきっと逃げることはできないだろう。

「それの意味はわかってるの?」

「センラさん、これだけは教えてくれへんの」

「自分で調べたりしないわけ?」

「んー、なんかそれはちゃうかなぁって思って。いつかセンラさんから聞きたい…」

あーあ、これはもう完全にあの策略家に落ちてるわ。面白いくらいに。

「お待たせしました。志麻くん、じゃあ行こか?」

後ろからしれっと現れたセンラはいつも通り何を考えてるのかわからない笑顔を貼り付けながら志麻くんの飲んでいたXYZを手に取った。

「シェリーもこれも、センラとおる時しか頼んじゃダメやよ?」

「センラさん、そればっかりしか言わないやん」

「志麻くんがそれだけ心配ってこと」

慣れた手つきで志麻くんの腰を抱き寄せたセンラはからになったグラスをこちらに差し出して、なぁ?うらたん。なんて。

「頼むから俺を巻き込まないで」

「うらたんには本当に感謝してるんよ?」

「これは予想外」

志麻くんが飲んだ分だけのお金をカウンターに置いたセンラは、やっぱりいけ好かない顔で笑う。

「ふふっ、ごめんなぁ?もしかして、うらたんの唯一のお友達やった?」

「はぁ?友達くらいいくらでもいるし。志麻くんくらい別に連れてけよ」

「えっ、うらたさん…?」

「いやごめん、そう言う意味じゃない。ごめん志麻くん」

ショックを受けたように肩を落とす志麻くんと対照的に楽しそうに声を上げて、俺の肩をぽんぽんと叩いたセンラの手を反射的に振り払う。

ほんと、こんなんだけどいい男ではあるんだよなぁ…こいつ、腹立つけど。
非常に腹立つけど。

志麻くんの隣に立つ姿を見てそう思って。
軽く手を上げて俺に背を向けた2人を横目に、俺は空になったグラス下げたんだ。

fin.


シェリー

“今夜は貴方にすべてを捧げます”

XYZ

“永遠にあなたのもの”




終わり方雑で申し訳ない…
力尽きました…

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