こちらは文廟です。文廟はハノイの歴史建築を代表するものです。こちらの廟は中国の儒学創始者、孔子を祀るために1070年に建立されたものでございます。孔子廟とも呼ばれています。

そして、1076年には政府高官の子弟を教育するため、ベトナム最初の大学として開設されます。地方から多くの優秀な人がここで勉強し、試験に合格することによって公務員にもなれたそうです。

建物は何度も修築と改築され、1802年に建造されたけいぶんかくはハノイの象徴の一つとされています。

奎文閣内には全部で亀の上に立つ82石碑(せきひ)があります。昔の科挙(かきょ)試験の82人の合格者名が記されています。石碑は漢字で書かれています。

さらに奥の方、中庭の向こうにある朱色(しゅいろ)の瓦(かわら)と2匹の龍が特徴的な文廟の本殿です。孔子のほか、孟子・顔回・子思・そん子の儒教の5人の聖人が祀られています。

儒教は20世紀の初めから廃(すた)れてしまいましたが、文廟はベトナムで高級官吏や学者をめざす人々にとっての聖地(せいち)だったのです。

大学の入学試験近くになると多くの学生がここを訪れ合格を願います。