[R18][ShimaSen] 借りてきた猫にまたたびを

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Author: 五月雨

Link: https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21187929

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⚠︎︎注意⚠︎︎

こちらの作品はnmmnです。
smsnを取り扱っております。

↑に理解の無い方は閲覧をお控えください

・R-18
・読み切り
・重度の♡濁点喘ぎ
・all sm side
・一部mb登場
・関西弁の分からない主が関西弁
・誤字脱字の可能性有

公の場に広めるのはお辞め下さい。

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「気になってる猫カフェがあるんよ」

金曜日の昼休み。同僚である坂田に馴染みのない店を勧められた 俺、志麻はサンドウィッチを頬張りながら彼に問いかけた。

「猫カフェ?坂田にしちゃあ珍しい店を勧めるモンやな。」

「いやそれがさ、数ヶ月前にこの店の存在知ったんやけどさ!ネットで調べたら凄く癒されるって口コミ良かったんよ!店自体は結構昔からあったらしいんやけど...」

ニコニコと太陽のようなお得意スマイルで語る坂田。

「ほんで、一緒に行こうってことか。」

「飲み込み早くて助かるわ。どう?今日の夜とか空いとる?」

「んー、まぁええよ。特に何もないし、今日は癒されたい気分やったし。」

「よっしゃ!じゃあ決まりやね。」

東京の片隅でサラリーマンをしている俺は
世のため人のために 働く、働く、とにかく働く。
世間一般で言う"ブラック企業"に若干該当してしまうこの職場では日々ストレスとの戦いだ。

"現日本はストレス社会"
そんなテンプレートを貼り付けたような この街は、夜になるとネオンと酒に溺れだす。
日々のどす黒い感情を何かで発散する人間なんてごまんといる。
俺だってその1人だ。昼は死ぬ気で働き、夜は酒で全てを流す。

そんなつまらない日々が続いていた。

たまには新しい店で新しい癒しを開拓する...ってのも良いかもしれない。

そんな俺の心は密かに浮ついていたのだった。

────────
──────
────
──
...

「.........遅い。」

あれから数時間が経ち、外は現在時刻20時の時点で真っ暗だ。

俺を誘った張本人の坂田がまだ来ないのである。

仕事終わり、駅で待ち合わせをしていたのだが、坂田は未だに仕事が終わらないらしく どれだけ待っても来る気配がない。

猫カフェもそろそろ営業時間を過ぎてしまうのではないかと思った時だった。

プルルルル......プルルルル......

坂田からの着信を知らせる画面を、冷えた指先でスワイプし耳に押し付ける。

「...もしもし?」

『ま、まーしぃ!ごめん!残業なかなか終わらんくて!もう少しかかりそうやから、先行っといてくれん!?』

「はぁ!?坂田が行きたい言うてたやんか!張本人来なくてどうするん!」

『お、終わり次第行くんで!お店の住所とか送っとくから!ごめん!』

坂田の焦った声がプツッと切られた。

「はぁー...しょうがない、行くかぁ...」

坂田とのトーク履歴に新しく追加されたURLをタップし、店の住所を確認しながらテキトウに拾ったタクシーで目的地へと向かうことにした。

「えっとー......ここ...よな?」

現地に着いた俺はタクシーを降りて唖然とした。

なんか......猫カフェってこんな感じやっけ?
もっとキュートな外装を想像していたが、その雰囲気はどことなく......ピンクな雰囲気を纏っている気がする。気がするだけだろうけど。多分。

「うー...寒いし入るかぁ...」

どうやらまだ店は営業しているらしく、外も冷えるため 店の扉をゆっくり開いた。

カランカラン...と鳴るベルの音と同時に、パタパタと軽い足音が響く。

「いらっしゃいませ。お客様おひとりでしょうか?」

「あ、はい...後からもう1人来ます。」

顔を出したのはたぶん、ここのスタッフ。
貼り付けたような笑顔でこちらに近づいて来たかと思えば、タブレットを見せながら説明を始めた。

「お客様は当店のご利用は初めてでしょうか?」

「はい。初めてです。」

「かしこまりました、では簡単に説明させていただきます。当店はお客様の好みな子と戯れる事ができます。なお全員オスなので、ご了承ください。」

みんなオス猫なんか。えらい珍しい店やなぁ

「当店の子に暴力などは一切行わないようよろしくお願い致します。」

「分かりました。」

一通りの説明が終わったあと、スタッフがタブレットを起動し、画面をこちらに寄せてきた。

「それでは、お客様のお好みの子をお選びください。」

「わかりまし............はっっ!?!?」

画面を見て驚愕した。

お好みの子って.........どれも人間なんだが。
しかも全員、えらい可愛らしい顔をした男。猫耳を付けた男.........の写真.........。

「えっと.........すみません、ちょっと待ってもらってもいいですか?」

「?、かしこまりました。」

1回店の外に出たあと、坂田に電話をかける。

『もしもし まーしぃ?どした?猫カフェいい感じ?』

「いやいやいや!!坂田!お前店のURL間違えたんじゃないん!?ここ猫カフェちゃうやん!」

『え?いや、猫カフェって書いてある..................え"っ』

坂田が明らかに濁点の付いた声を上げた。

「............なに?」

『......ま、ま、まーしぃ......ごめん......ここ、猫カフェは猫カフェなんやけど......普通の猫カフェちゃうわ............っ』

「えぇ..................っ?」

坂田の説明によると、ここは猫カフェは猫カフェでも、居るのは普通の猫ではなく
猫のコスプレをした男の子達らしく.........

まぁつまりは、男の子に興奮する奴らが集う猫をモチーフにした風俗......みたいな所らしい。

「それを坂田が普通の猫カフェと勘違いした.........と......。」

『ううううホンマにすまん......マジでやらかした...............っ』

「ちゃんと確認しろやぁ......!」

『そ、そんなん言われたって、猫カフェと言えば猫が居る店だとしか思えんやん!』

まぁたしかに、坂田の言う通りではある。
猫カフェ=本物の猫と戯れる夢のような空間

と誰しもが思うだろう。

「......分かった、もうええから...坂田は来んなよ?」

『うん...ほんまごめんありがと...』

プツッと電話を切ったあと再度店に入り、スタッフに謝罪をしようと頭を下げた。

「あのー...すみません...ちょっとお店間違えてもうたんで......その______」

その時

「......あの、ちょっとタブレットよく見せてくれませんか。」

「?はい、どうぞ。」

一瞬、スタッフの持っているタブレットの画面が目に入った。その猫たちのリストの中に、1人 気になる子が居たのだ。

「...............綺麗......」

その男は、黄色い猫耳と黄色いモコモコの服を着ていた。肌は真っ白で 周りの可愛い系統の顔とはまた別で、いわゆる"美人"に入る部類の顔をしている。

「あぁ、この子人気NO.2なんですよ。」

「なるほど...どおりで......」

「センラって言います。良かったらこの子呼びましょうか?初回割引で安いですよ」

「しょかいわりびき、............」

別にそっちの癒しは需要感じないんで。とか

今すぐ帰りますんで。とか

頭の中ではそう言っていたような気がする。

気がするんやけど。

「はじめまして、センラですにゃん。」

「はわ..................」

気づいたら俺は、黄色のにゃんこに一目惚れしたらしい。

「はじめまして、センラですにゃん。」

奥の個室に案内され そこにあったベッドに座って待っていると、透き通るような綺麗な声が耳に響き、とんでもないほどに美人さんな顔が俺の顔を覗いた。
頭には猫耳を付け、しっぽの着いた可愛らしい服を着ている。

「はわ............」

「んふふっ、緊張してはります?」

しかもこんな綺麗な声に加え京都弁を話す。
なんて罪深いのだろうか。

「お名前なんて言うんですか?」

「え、あ、志麻です......」

「志麻くん。こういう所は初めてなんです?」

「はい.........」

「んふっ、ドーテーくんみたいな反応やねぇ。でもそんなかっこいいお顔してはったら
、経験値豊富そうやけど...?」

小悪魔のようなニヤリ顔のセンラさんに心臓がドキドキと鳴り止まない。
あれ、俺なんでここに居るんやろ。元々は普通の猫カフェで普通の猫に癒されるつもりが...あかん、坂田にも合わす顔が無くなる。

「あの......やっぱ俺.........っ!」

「にゃあ♡」

「っっっ!?!?」

センラさんに取り消しをお願いしようと顔を上げた途端、センラさんのお顔が耳の横に来て 猫のように鳴きながらハグをしてきた。
柑橘系の香りが鼻を掠める。猫って柑橘ダメやけど...めちゃくちゃいい香りがする...

「志麻くん...ゆっくりでええからね...一緒に気持ちよくなろ......?♡」

「う、ぁ...............」

「ふふっ、志麻くんはちゅーすき...?」

そう言うと センラさんは綺麗な顔を俺に近づけてきたかと思えば、その厚みのあるぽってりとした唇を 俺の唇にくっ付けてきた。

「んんっ!?」

「んっ......ちゅ、...はぁっ......♡」

驚きのあまり空いてしまった口に、熱い舌が入り込んでくる。

「んぁ......っ、せん......んっ、ちゅ.........っ♡」

「ん.........ふっ、............♡」

やばい、意味分からんくらい上手いんやけど。

俺の舌とセンラさんの舌がこれでもかと絡み合い、最終的には舌先を吸い上げられる。

「ん.........ちゅ、ぷはっ.........♡」

「んはっ.........♡」

2人の口の間には細い糸がつぅ、と通る。

「んふっ、志麻くんキスだけでこんなんなってもうて.........っ♡」

「んぁ......っ!ちょ、センラさん...っ!」

「センラのお口で御奉仕してもええですか?♡」

センラさんの目は、まるで蜂蜜のように蕩けていた。
熱い息が布越しにソレへとかかり、すぐに芯を持つ。

センラさんが期待していますと言わんばかりにズボンのチャックを下げ、下着を一気に降ろした。
と同時に、既に元気になってしまったソレが勢い良く飛び出し、センラさんの顔にペチンと当たった。

「わっ、ぇ、おっきぃ.........っ」

「せ、センラさん、その、無理せんでええから...」

「んーん、やる.........♡」

予想以上に大きかったのか センラさんは一瞬目をまん丸くしたが、すぐに持ち直し その熱い口内に先端からゆっくりと入れていった。

ぱくっ と効果音が鳴るかのように可愛く咥えられたかと思えば、いやらしい音を立てながらゆっくりと舐めまわしていく。

ジュブッ.........グチュッ............♡

と、視覚も聴覚も暴力的なエロさでやられそうだ。

「ん"っ......♡んぁ"...っ♡ぉ"っ♡」

「っあ"ーーーー...っやばい...、♡」

学生時代 それなりに経験はあるし、なんなら結構可愛い子を相手にした事だってまぁまぁあった。
しかしそのどれよりも、この人は妖艶で、綺麗で、可愛らしい。

「ん"っ♡ん"っ♡ん"っ♡ひもひぃ...っ?♡」

「あ"ッ!♡ちょ、喋らんといて...っ」

「んふふっ...♡かぁいい...♡」

プチンッ

あ、あかん、今の顔めちゃくちゃ刺さった。

そう気づけば時すでに遅し、俺はセンラさんの後頭部を手で押さえつけ 無理やり喉の奥まで突っ込んでしまった。

「ん"ッッ!?!?!?♡♡」

「ぐっ...............!♡」

そのまま頭を持ちながらまるでオナホのように扱ってしまう。ごめんセンラさん、許してくれ。

「ん"ッ!!♡んぉ"ッ!♡♡ぉ"えッ♡♡」

「ごめっ、せんらさ......ッ...イく......っ♡♡」

「ん"ん"〜〜〜〜〜〜ッッ♡♡♡♡♡♡」

センラさんの口内に思いっきり濃い白濁を出す。
その瞬間、我に返った様な感覚を覚え
サーっと血の気が引いていくのがわかった。

「ゲホッ!!ゲホッゲホッ、ぁえ"......っ♡」

「せ、センラさん!ごめん!ほら、ティッシュにペって.....................」

「んん...............っ 」

ごくんっ

そう、センラさんの喉が上下した。

「え、」

「んあっ............♡飲んでもうたにゃあ♡」

べーっと舌を出すセンラさんの顔は目尻に少し涙が溜まり、頬は紅く染まってほんのり汗をかいている。

あまりにも刺激が強かった。

「そ、そんなん、あかんって...!」

「なぁ、志麻くん...センラな、もう下解してるんよ♡」

「は、」

「いつでも入れる準備は出来とるよ...?♡」

センラさんは俺を押し倒したかと思えば、上に跨り 腰をフリフリと揺らして見せた。
そしてそのまま服を一つ一つ脱ぎ、真っ白な肌を露出させた。

センラさんのモノも上を向き、お互い興奮しているんだ。なんて.........

「志麻くんの、また元気になってきたにゃあ♡」

「せ、せんらさ............っ」

「んふっ...志麻くん、センラの事見とってな...?♡」

センラさんは俺の上で足を広げると、枕元に置いてあるローションを指に絡め、そのまま後孔につぷッ......と沈めた。

「ん......っ、あっ♡」

「..................っ」

指を2本に増やし、ぐちゅぐちゅと音を立てながら解すその姿に息が上がった。

「んぁ"っ.........♡♡イきそ、っ...♡」

「せん...............」

「志麻くんっ、センラ...イッちゃいそうやから入れてもいい......っ?♡♡」

「ぇ、あ......まっ.....................」

許可する前にセンラさんは俺の竿を握りしめ、ゆっくりと腰を下ろしていく。
センラさんのナカは狭く、ローションでぬるぬるしていて 暖かい。

すぐにで持っていかれそうだ。

「ん"っ...............♡♡」

「ぅ".........あ、っ♡♡しまく...っ、の...入ってきとる............ッ♡♡♡」

眉間に皺を寄せながら快楽に耐えるセンラさんの顔があまりにも可愛すぎて、下唇を噛んでしまう。

悶々とした頭で結合部分を見てみると、既に根元まで入れることができたらしい。

「志麻くん...っ...動くで.........?♡」

「ぁ...............うん...っ」

垂れている横髪をサラッと耳にかけた後、センラさんは所謂 騎乗位で腰を動かし始めた。

パチュ...パチュ...♡ という水音が嫌でも耳に入り、興奮を煽る。

「ん"ぉ".........っ♡あっ...♡ん"っ♡♡きもち......ッ♡♡」

「センラさ.........っ...んっ♡♡」

少しずつスピードが上がり、センラさんの反応も大きくなっていく。

「あ"っ......!あ"っ!♡♡ヤバッ♡♡あ"ッ♡♡イ"ぐっ♡んぅ"ッ♡♡」

「はっ......ぁ".........う"っ......♡」

「ん"ッ♡♡しま、く......ッ♡そ、外に...あ"っ♡♡」

「そと......っ?ぁ"ッ♡」

「ん"ッ......う"〜〜〜〜〜〜ッ♡♡♡」

「んぁ"ッ......♡」

途切れ途切れだが「外に出して」と言われていることに気づき、残りの理性を振り絞ってセンラさんから自分のモノを抜いた。
と、同時に お互い見事に達し、センラさんの腹の上に互いの白濁が濃くかかった。

「はぁ............っ......は......ぁ.........♡」

「んっ...............ぅ............っ♡♡」

ピクピクと余韻に浸っているセンラさんの頬に手を擦り寄せる。

刹那

ピピピピ!ピピピピ!

「っ!?」

いつからセットしていたのか、タイマーが甲高い音を出し始めた。

「ぁ............時間............っ」

センラさんはゆっくり起き上がると、タイマーの停止ボタンを押して またゆっくりベッドに倒れ込んだ。

「はぁ.........ふう、志麻くんお時間です。」

「え、あ、.........。」

「? どないしはったん?延長します、?」

「いや!大丈夫.........です。」

「..................志麻くん」

「ぇ............っ!?」

センラさんに名前を呼ばれ俯いていた顔を上げると 、そのまま綺麗な顔が近づき 1つキスを唇に落とした。

「ほんまは終わったら一切の接触は禁止なんやけど......志麻くんだから特別です♡」

「とくべつ......っ」

「志麻くん、また来てにゃあ♡」

そう、俺の手を取りすりすりと頬擦りするセンラさん。

どうやら、俺の心は一瞬で黄色のにゃんこに堕ちてしまったようだ。

「まーしぃ、まーしぃ!」

「んぁっ、え?なに?」

「なに ちゃうわ!金曜大丈夫だったかって!」

月曜日、2日ぶりに会った坂田との会話は
やはり例の猫カフェの件から始まった。

「ほんまごめんな...まさかあんなお店だとは思わなかってん。まーしぃ大丈夫やった?すぐ出れた?」

「あー、うん、まぁ、大丈夫。」

事実とは真逆に"何も無かったですよ"前提で進む会話に、脳はあまりよく動いていなかった。

俺はあれからセンラさんの事が忘れられずに居た。この土日、センラさんの顔を思い出しただけで抜けた。
どんなAVも敵わないセンラさんの色気に、頭はぼんやりとしていたのだ。

「まーしぃ...?ホンマに大丈夫?」

「うぅーん、大丈夫。」

「絶対大丈夫な反応じゃないやん!具合悪いん?今日帰ったら?」

「いや、仕事する.........」

「えぇ.........」

なんて言ったものの、仕事なんて手につかず上司にまで「帰った方がいい」と言われる始末。
渋々とお言葉に甘えて、今日は昼過ぎに会社を出た。

「月曜からこんなんって...あかんよなぁ」

少し気分を変えるため、近くのコンビニでスイーツを買って帰ることにした。

「らっしゃっせー」

店員のやる気のない声を耳に流し、スイーツコーナーへと足を運ぶ。

「んー...どれがええかなー......」

シュークリームにプリン......最近でた新作のカヌレまで、種類豊富な品々を眺めていると

ふと隣から柑橘系の香りがした。

「..................ぇ?」

これは運命と言っていいものなのか、俺の隣には金曜の夜 俺と交わったあの黄色い猫

センラさんが同じようにスイーツの並んだ棚を睨んでいた。

「んー...適当でええか」

このはんなりとした喋り方、この綺麗な声...
間違いない!この人はセンラさんだ!
服装は前見た時のとはまた違うオシャレな服装だが、やはりどこか垣間見える女性らしさに確信した。

そう認識した途端、体は勝手に動き始めていた。

「ぁ、あの!センラさん!」

「.....................んぁ?」

そう、確かに声も喋り方も見た目も、そして柑橘系の香りも

全てセンラさんだった。

確かにセンラさんではあった。

だけど

「.........は、あんた誰ですか。」

「ぇ、」

そのゴミを見るかのような目は、まるで俺が知っているセンラさんではなかった。

「お、俺だよ...志麻......前 一緒にほら......覚えとらんの?」

「しま、......?あー、そういえばなんか相手したような...あ、その顔」

「顔?」

「腹立つくらいのイケメンさんやったのは覚えとる。あとは知らん。」

センラさんはそう冷たく吐き捨てると、またスイーツの棚を睨みつけ始めた。

「ぇ、な、ちょっと、センラさん」

「なんなんですか、あんた。ただ1回店来ただけやろ。常連でもなんでもないくせに俺に構わんでくれます?キモイ。」

"キモイ"

その言葉が強く胸に刺さった。あんなに可愛らしかった一人称も「俺」なんかに変わってるし。

ぼんやりとその場に突っ立って居た時だった。

「センちゃんお待たせー...って、何この状況」

センラさんよりも一回り二回り小柄な男性が、センラさんの後ろからひょこっと顔を出した。

「? 、センちゃんこの人知り合い?」

「知らん、きしょい、嫌や」

見事な3コンボをくらい、俺の心は既にズタボロである。

「あー...もしかしてセンラの客?新規さんだったりする?」

「え、あ、はい」

「ごめん、こいつプライベートではこんな奴でさ...ほんと営業モード完璧だから、勘違いしちゃう人多いんだよな...」

............え?営業モード?

沢山疑問はあるけれど、ということは、なに、センラさんにとって俺はキモイただの勘違いド新規客............?

『志麻くんだから特別です♡』

こんな、今思えばいかにも営業言葉にしか聞こえない言葉を耳元で囁かれたくらいで、勝手に勘違いして勝手に惚れてた。

そんな自分が恥ずかしくてワナワナ震えていると、センラさんは無性に色気の感じる流し目で俺を見た。

「...でもまぁ、あんたイケメンさんやから、また俺の事指名してや。きっしょいおっさんばかりでうんざりなんよ。」

「んぇ、」

「おっ、お兄さんラッキーじゃん。センちゃん普段はバッサリ切って終わりなのに。」

「うらたん余計な事言わんでええから...はよスイーツ選んでや。」

「お前はもう選んだの?」

「俺このチョコのやつでええ。」

「んー、じゃあ俺これ。」

「はいよぉ。」

あっという間に会話は二人の世界だけになり、俺は蚊帳の外になってしまった。

しかし、俺の心には1つの決意が生まれた。

「絶対センラさんの1番客になったる...!」

そう、センラさんの1番に、あわよくば恋人...............なんてそう上手くはいかんと思うけど、なんか!いい感じに!

拳を強く握った俺は、スイーツを買わずにそのまま店を出た。

「ご指名ありがとうござい............は、?」

「センラさんこんばんは。」

次の日の夜、俺は早速例の猫カフェに足を運んだ。
今日も運がいい事に、人気NO.2のセンラさんは枠が空いているらしく 簡単に指名する事が出来た。

やけに甘ったるい声を垂らしながらドアを開けたセンラさんは、俺を見るなりその蜂蜜色の瞳を大きく見開いた。

「ぁ.........し、志麻くん!今日も来てくれたんやね。ありがとうにゃ♡」

さすがプロでもあろうこのにゃんこ、一瞬見せた自我にすぐ蓋をし、営業モードを貫く。

「センラさん、俺今日からあんたの常連客になるわ」

「わぁ!ほんま?嬉しいにゃん♡じゃあ、センラの1番のご主人タマになってなぁ♡」

センラさんは飾りのしっぽをゆらりと揺らした。

────────
──────
────
──
...

「ん"ぁ"ッ♡♡も、...しぬ......ぅ"ッ♡♡」

「はぁ............ぁ"...っ.........♡」

あれからどれ程の時間が流れただろうか。
センラを抱いてから既に3度は射精をしている気がする。

それ以上にセンラも何度か絶頂を迎え、既にクタクタの様子。頭からズレ落ちた猫耳を横目に、ブルっと身体を震わせた。

「ぃ".........っ♡♡ んぁ"......っ」

「ぅ"あ"~~ッッ......♡♡」

ピピピピ!ピピピピ!

互いの絶頂と同時にタイマーが鳴り響く。

「んぅ......っ.........」

ピッ

とタイマーが止まる音と共に、センラさんがベッドにパタリと倒れ込んだ。

「はぁ.........はぁ.........♡終わりです......っ」

「はぁ..................っ、センラさ...っ」

「......センラ」

「え?」

「センラ"さん"やなくて......センラでええよ......」

何を思ったのか、真っ赤な顔でセンラはそう呟いた。

「え、なんで...?」

「............俺の名前呼びすぎ......っ」

センラさん曰く、行為中 必死すぎて名前を呼び捨てで呼んでしまっていたらしい。

それならもういっその事、最初から呼び捨てで来いってことか......。

「マジか...ごめんセンラさん、たった二回目なのにもう呼び捨てとかキモイよな...」

「...............んーんっ」

センラは体を起こすと、また俺の唇にチュッと厚い唇をくっつけた。

「イケメンさんに名前呼ばれると興奮するにゃんっ...♡」

「ぐっ............もうタイマー鳴ったから......っ」

「はぁい♡」

勘違いするな、これは営業モード...こんなの建前だ......まだ自惚れちゃあかん.........!

必死に煩悩を振り払い、服をパパっと着ていく。

「んじゃあ...また来るな」

「うんっ♡行ってらっしゃい、ご主人タマ♡」

店を出てセンラの余韻に浸りながら家路を歩いた。

なんでいきなり呼び捨てを許されたのだろう。まぁ営業モードだから、皆に同じこと言ってんやろなぁ.........。

なんて期待しないように考えていたのだが。

『............俺の名前呼びすぎ......っ』

「俺の名前呼びすぎ...かぁ、あんな可愛い顔で言われたら自惚れるやろ......。」

あの可愛い顔が頭をよぎる度、期待しないなんて到底無理な話だった。

俺の名前呼びすぎ......

俺の名前............

俺?

「えっ?」

足が意志とは関係なく立ち止まった。

待てよ、あの時センラ......自分の事を「俺」と言っていたような......いや、確かに言っていた。

だってセンラ.........営業モードの時は一人称が「センラ」で......本当は「俺」なはず......。

えっ、ということは......

「それって......そういう事やんな......?」

それに気づいた瞬間、ボッと顔が赤くなり
期待値が一気に上がった。

「よぉし!この調子で沢山センラに会うぞー!」

俺のモチベは"センラ"で埋め尽くされた瞬間であった。

────────
──────
────
──
...

それから俺は、ほぼ毎日のように猫カフェへと寄った。

人気NO.2のセンラは、それは沢山の男を相手にしているため 枠が取れなかった日もあったが、取れる時は全部入れた。
お金も沢山稼ぐために残業も増やし、今まで以上に体や頭を動かした。

のは良いのだが...............。

「志麻くんっ♡また来てにゃ♡♡」

「......なぁセンラ、そろそろ建前無しで話さん...?ホンマのお前を見たいんやけど......」

「なんの事にゃ?♡センラはセンラやで♡♡」

この猫は、深く被った猫を脱ぐことは無かった。

「うーーーん.........」

土曜日、貴重な休日を 俺はスイーツ選びに使っていた。

最近エネルギーを沢山使っているせいか、今まで以上にコンビニのスイーツを欲するようになった気がする...。

「ちょっと控えた方がええかなぁ...」

ダイエットだと思い、今日はスイーツ禁止dayにしよう。
そう、せっかく入ったコンビニを出た時だった。

「えーーーっ!?なんでなん!?」

突然、聞き慣れた透明感のある声が鼓膜を震わせた。

「ッ!?!?」

「うらたんが行きたい言うてたんやんけ!俺1人なんて嫌や!」

「センラ.........?」

なんとそこには 完全オフモードのセンラが居た。
うわ、キャット姿じゃない私服のセンラや。
オフモードを見るのはこれが二回目、オシャレな私服のセンラにはこれまたギャップ萌えというものを感じる。

「もー......わぁったよ...んじゃ、切るな。」

「......セ、センラ!」

「うわぁ"ッ!?!?」

後ろからちょんちょんと肩を叩くと、センラはまるできゅうりを後ろに置かれた猫の如く大きく飛び跳ねた。

「びっっっくりした......え、志麻くん?」

「............!覚えててくれたんやね!?」

「そりゃ覚えるやろ、あんな毎日来てたら」

え、何それめちゃくちゃ嬉しい。

「しつこいくらい。」

「しつこい.........。」

前言撤回、やっぱりオフモードのセンラはまるで氷のように冷たかった。

「てか、どないしたん?凄い声荒らげとったけど。」

「あー...別にアンタには関係な............っ!!」

また冷たく切り捨てようとしたセンラは、ピコンと何かを閃いたように目を開け 俺の顔を勢い良く見つめた。

「えっっ、な、なに?」

「......志麻くん、甘いもん好き?」

「え、好きやで?めちゃくちゃ好き」

「今金ある?」

「そりゃもうおかげさまで。」

「お、おかげさま.........?んまぁ、ならちょうどええわ!来て!!」

「えっ、なになになに!?」

センラは俺の手を引くと、近くにあるタクシー乗り場に早足で駆け寄った。

「すんませーん!乗ります!!」

「はーい。」

いつもの可愛らしさとは程遠い喋り方でセンラはタクシーを停めた。

「えっと......〇〇デパートまでお願いします。」

「はーい、かしこまりました。」

「ちょ、センラどこ行くん......?」

「ええからアンタは黙って着いてきてください。」

ムスッとした顔で俺の腕を掴むセンラに、またいつもとは違うトキメキを感じた。

訳も分からずタクシーに揺られること20分、着いたのは近くの大きめなデパート......の4階にあるカフェのような所であった。

「えっと......センラ、ここは?」

「あんたには関係ない。」

「いや関係なかったら連れてこんやろ!」

「いらっしゃいませ~!お客様何名様ですか?」

「2名です。」

可愛い店員さんが案内してくれたのは、窓側の小さな席。

「普通のカフェ......久々に来たかも」

「何言うてはるんですか?うちも立派な"猫カフェ"じゃあないですかぁ。」

「いや...あれは普通じゃないやろ......。」

ニヤニヤとしているセンラを横目に、店内をゆっくり見渡した。

「......お洒落なとこやね。」

「やろ?ここうらたんと よく来んねん。」

「うらたんって、あの茶髪の?」

「そ。うらたって人なんやけどさ、俺はそう呼んでんの。」

「へぇー、あの人も可愛らしい人やな」

「あの人一応志麻くんとタメやで。」

「え"っ!?!?じゃあさんじゅう___」

「それより、メニューなんやけど」

俺の言葉をお構い無しに遮ったセンラは、メニュー表を開くと俺に向けながらひとつの品に指を指した。

「志麻くん、これ頼んで。」

「え?決まってるん?」

「ええから。」

俺の食べる物はストロベリーパフェ
そしてセンラの食べる物はチョコレートパフェ

......らしい。

「すみませんー!」

「はーい!」

先程の店員さんを呼び、センラがメニューを注文したのを確認したあと 俺は早速センラに質問をかけた。

「んで、なんで俺をここに呼んだん?」

「...ほんまは今日、うらたんと来る予定やったんよ。なんなら うらたんが来たい言うてたから。」

「うん」

「けど、うらたん急用で行けんくなって...そこでちょうどあんたが来たから連れてきた。」

「1人で行けばよかったんに」

「あほ、30越えのいい歳こいたおっさんが1人でパフェなんて恥ずいだけやろ。」

「ええーー、そうか.........え?」

「んぁ?」

「センラって30越えなん?」

「あれ、言ってへんかったっけ?32。やばいやろ、この歳であんな事してんのw」

俺の年齢は初回で生年月日等を書かなければならなかったため、センラは知っていた。
けれど、俺はセンラの年齢を知った事が無かった。

え、30越えには見えへんのやけど.........

「うそ、ホンマに?見えんわ」

「えー、それは褒め言葉として受け取ってええの?」

「それ以外何があるん!?やっぱセンラは美人さんやね」

「.........その言葉で照れんの、営業の時だけから......」

「そっかそっか。でもホンマに。」

「........................。」

センラはそのまま何も言わず、俯いて水をコクコクと飲んでいるだけだった。
なんか余計なこと言っちゃったかな。

それから10分15分程して、2人のパフェが机に置かれた。
やば、めちゃくちゃ美味そう。

「わー!美味そう!」

「せやろ?ここの新作メニューなんよ。」

「へぇー!そうなんか!いただきます!」

「いただきます。」

スプーンで小さないちごとアイスクリームを掬い口に運ぶと、アイスクリームの程よい甘みといちごの酸味が口の中でマッチし、一気に幸福感で満たされた。

「うん~~~~まぁ!♡」

「んん~~~!!♡」

ふと、センラの方を見てクリームを救う手がピタリと止まった。

センラは今までにないくらい幸せそうな顔をしていた。営業の時の笑顔なんかより、どんな顔よりも幸せそうな顔。

「........................。」

「...志麻くん?俺の顔になんかついてる?」

「あ、いや......!なんでもない!」

なんやあの顔なんやあの顔、あんな顔するんや、センラって。
あんな幸せそうな可愛い顔............。

自分の顔に熱が集まっているのが分かった。

勢い良く一気にかき込んだパフェの味は、もうあまり覚えていなかった。

「...............嘘やろ」

「最っっっ悪や.........」

パフェを食べ終わり、店を出て絶望した。

さっきまでペッカペカの快晴だった空は一気に灰色の雲に覆われ、ざぁざぁと雨が勢い良く降っていた。

「センラ、傘なんて......」

「持ってる訳ないやろ...だってこんな、こんな雨降るなんて...」

「そうよなぁ......」

タクシー乗り場までは歩いて3分、タクシーに乗ってしまえばこっちのもんだが、乗る前に雨でずぶ濡れになってしまうはずだ。

そんな状態でタクシーには乗れない。

「どないしよ...うぅっ、寒っ......」

「........................っ」

さっきから浮かない顔で何かを考えていたセンラは、突然意を決したように口を開いた。

「あー、志麻くんこの後時間ある...?」

「んー?全然あるけど...」

「ほな、家来ん?散らかってるけど...」

「.....................え?」

え、今なんて言った...?センラん家...?

「センラの......お家?」

「今日無理やり連れてきちゃったし...嫌やったらええけど」

「いや!行きます!行かせてください!けど...濡れたりせんの?」

「俺ん家、こっから歩いてすぐなんですよ。濡れはするやろうけど風呂貸すんで。」

「あ、あ、ありがとう.........。」

「ん。じゃあ濡れていくで!!」

センラの家までひたすら走った。
顔を打付ける雨なんかお構い無しに、30越えたおっさん2人で 。容赦なく濡れていく体に思わず吹き出してしまい、まるで少年のように笑いながらセンラの家へと駆けていった。

────────
──────
────
──
...

「っははははは!wおっかしぃ!」

「ほんまよ!なんで30過ぎのおっさんがこんな笑いながら雨ん中走ってんねん!ww」

センラの住んでいるマンションにつき、玄関に入る。

あ、この匂い......柑橘だ。

センラの玄関からは柑橘のいい香りがふわっと出迎え、そのままお互いびちょびちょのままリビングに入る。

「お邪魔します〜」

「ほんま散らかっててごめんやけど」

「いやいや、めちゃくちゃ綺麗やんか。」

「ほんま?んふふっ、嬉しい。」

センラは休むこと無くテキパキと風呂の身支度をする。

「はい、これタオルな。んでシャンプーとかはすぐ分かると思うんで。」

「ありがとう.........っ」

「.........なんかキモオタみたいな反応やな。」

「うるさいなぁ!緊張してんやって!」

「何が緊張すんねん、男の部屋やぞ?」

「やって好きな人の部屋なんやもん!」

「えっ」

「あっ」

沈黙が流れる。

「......それって、営業モードの俺やなくて?」

「......素のあんたや。」

「.........はよ入ってきて。」

「ぁ、......うん。」

これ以上言葉を投げかけない方がいい。
何故か本能がそう叫んだ。

なんかセンラは.........あまり好かれるのが好きでは無いような............。

「ふぅ..................あったかぁ。」

ひとまず風呂でモヤモヤや疲れをとる事にした。

──────
────
──
...

「センラ、お風呂ありがとう。」

「はぁい。俺もちょっと入ってくるわ、適当にテレビとか見て待っとって。」

「ありがとう。」

センラがお風呂に入ったあと、俺はテレビを見る............

訳でもなく、速攻で部屋の隅にある棚へと足を運んだ。
この部屋に入って一番最初に気になった物、この棚に置いてある写真立てだ。
この写真立て、不思議な事に後ろを向いて写真が見えないように飾ってあるのだ。

「ちょっとだけ......ちょっとだけなら.........」

好奇心のままに、写真立てに手を伸ばした。
しかし、その写真立てをこちらにひっくり返す前に もうひとつ気になるものが目に入ってしまった。

「............は?」

それは、写真立てのすぐ横にあった紙切れ。

いや、名刺。

「折原.........千羅...............」

この名刺は、猫カフェのものでも無く 立派な会社の名刺である。

それも、うちの会社の。

「なんで.........折原............って......」

「何してはるん?」

透明感がある美しい声に混ざった、抑えきれない怒りが鼓膜を震わせた。

「ぁ...........................、その、」

「それ、なんであんたが持ってんねん。」

「えっと、せんら、」

「返して。」

「あの、」

「返せやッッッ!!!!」

まるで牙をむいた猫のように、センラは今までにないくらいドスの効いた声で叫んだ。

「あっ、ちょ!センラ落ち着けやっ!」

「ええから!!返せ!!!」

センラと取っ組み合いになり、棚の横でガタガタと暴れていると、そりゃまぁ只事では無くなるわけであって。

ガシャンッッ

「いっった!!」

「ぁッ」

センラに強く押されてバランスを崩し、そのまま棚にぶつかって倒れた。

その衝撃で、後ろを向いた写真立てが俺の手元に落っこちた。

「..................えっ?」

「あ!!」

その写真は、会社の社員全員で撮った集合写真だった。
もちろんその中には俺も居る。そして、真ん中辺りには 少しだけセンラの面影を感じる黒髪の男性社員が写っていた。

すぐに分かった。

これ、センラや。

「センラ、これ、センラやんな...?」

「..............................。」

「なぁ......折原千羅って、センラの本名やろ?」

「..............................。」

「......センラ、俺がこの会社の社員やって分かってたよな?」

「..............................。」

「センラっ!」

「..............................。」

どれだけ言葉をかけても、センラは黙りを決め込んだ。

折原千羅

顔こそは知らなかったものの、その名前は部署全体に知れ渡っているほどだった。

入社してすぐに様々なノルマを達成し、まるで完璧人間な社員であった。
お偉いさんからの評価も高く、信頼も厚い。
期待の社員だった。

そんな折原は、数年前に会社を逃げるように辞めた。

折原を妬んだ上司がこれでもかとパワハラやら何やらで折原を虐めたらしい。

「なんでそんな...折原があんなとこで働いてるん...」

"あんなとこ"
この言葉がセンラの逆鱗に触れた。

パシンッ

乾いた音と同時に、頬がヒリヒリと焼けるように熱くなった。

「っっっ!!!」

「............ッ、あんなとこってなに?」

「ぇ、」

「俺の居場所、そんな言い方せんといて」

俯いたセンラの顔は見えなかった。

「..................かえって、」

それからどう帰ったかなんて覚えていないけど、気がつけば俺は自宅のベッドに倒れ込んでいた。

「すみません...今日もセンラは予約でいっぱいでして...」

「そうですか...。また来ます。」

「申し訳ありません。またのお越しをお待ちしております。」

あれからセンラに会えず1ヶ月ほどが経過した。

お店に行ってもセンラは予約でいっぱい。
パフェを食べている時に交換したLINEだって既読すらつかない。

このままセンラと二度と会えないんじゃないか、そう思うと目頭が熱くなってきた。

「もう帰ろ............っ」

そう店を出ようとした時だった。

「ちょっと!待って待って!」

「えっ?」

後ろから俺よりも小柄な例の"うらたん"が現れた。

「ちょっ、うらたさん!?お店出る時は裏口からって言ってるじゃないですか!」

「すまん!休憩!志麻くん来て!」

「あ、ちょっと!」

困惑しているスタッフさんそっちのけで、彼は俺の腕を引っ張った。

「.........あのっ!」

「よし、ここなら誰も居ねぇ。」

連れてこられたのは少し離れた先の小さな公園。ベンチに座り、ふぅと一息吐く。

「あの、うらたさん...で合ってますか?その、いろいろ気になることはあるんやけど、なんで俺の名前知ってるんですか?」

「急にごめんね、そう。俺はうらた。んで志麻くんの事はセンラからよく聞いてたから知ってた。」

「え、あ、そうなんか.........。」

うらたさんは優しい声で続けた。

「......センラの社会人の頃の写真見ちゃったんだって?」

「それもセンラからですか...?」

「まぁ、うん。」

「...興味本位やった。そんなん最初っから知るつもりなんて無かったし、まさかあの折原だったなんて思わんかった。」

「うん」

「俺、正直体を売る仕事ってのが...その、理解できんかった。元々サラリーマンとして働いていた人間が、なんで夜の仕事に手を染めてしまうんやろって。他にももっと別の職業とかあったのに...なんでよりによって......散々通ってる奴が何言っとんねんって話やし、あんたにも失礼かも...だけど。」

初めてセンラの素を見た時、最初は驚いたし理想が崩れたような気分さえした。
けれど、それと同時に人間らしさを感じた。

元々一目惚れが後に引けなくなって、いっその事センラが俺に惚れてくれんかなって。
それが彼に執着するきっかけだった。

でも、パフェを幸せそうに食べるセンラを見て

雨の中素の笑顔で笑って走っているセンラを見て

猫被りじゃないセンラを見て

俺はもっともっと、どうしようもないくらいにセンラに惚れてしまった。

「____だから体を汚す仕事なんかじゃなくて、太陽の下で普通に過ごして...普通にスーツ着て...普通のサラリーマンして、普通に幸せになって欲しかったんよ。」

「...普通の幸せ.........ねぇ。」

うらたさんは何処か遠い目をしていた。

「センラは自らこの道を選んだんだよ」

「え?」

「というか、この道を選ぶしか無かった。俺が職もプライドも何もかもを失ったセンラにこの仕事の話をもちかけた。ダメ元だった。なのに何も躊躇わずうちで働くことを決めた。」

「そうなん...、?」

「そうだよ、「誰かに愛さたかった」ってさ。俺だって本当はこんな仕事して欲しくないよ。」

センラは今までどんな気持ちで人と交わってきたのだろう。散々虐められて、やっとの思いで逃げてきて、本物でなくとも愛を求めて。
まるで捨て猫のように、もがいて生きてきた。

「.........志麻くん、センラに本物の愛を与えてくれない?本当のセンラを知ってるの、お前だけなんだよ。」

「俺が...............?でも、俺は.........っ」

「猫にまたたび、な、お願い。」

猫にまたたびを与えるように、俺がセンラに愛を与えたい。
その気持ちが湧き上がった瞬間、頭よりも先に体が動いた。

「俺、もう1回猫カフェ行くわ!あ、でも今日は予約でいっぱいなんよな...」

「それなら俺に任せとけ。その変わり、俺にも愛してくれそうなご主人タマ紹介しろよな。」

冷たい風が頬を刺す。
白い息がはぁはぁと上がり、耳や鼻がジンジン痛くなっていくのを感じる。

センラ

センラ

「せんら............っ!」

ただセンラに会いたい。その一心だった。

────────
──────
────
──
...

「センラッッ!!!」

「へ...っ?」

うらたさんと再び店に入った俺は、ちょうど知らない中年男性と部屋に入ろうとしていたセンラを見つけた。

まさか俺がここに来るとは思わず、豆鉄砲を喰らったような顔をするセンラ。

「ちょ、誰だよアンタ!センラくんは今から俺のものになるんだから、あっちいった!」

センラと腕を組んでいた男性は、俺を見るなりムスッとした顔でしっしと手を振り払う。

「すみません、その枠...ちょっと俺にくれませんか。」

「はぁ!?」

「志麻くん......っ?」

頭を下げるなり、男性は怒号を容赦なくぶつけてくる。

そりゃそうだろう。金を払ってまでセンラを指名したというのに、それを他の男に取られりゃ怒るのも無理は無い。

「お!お!おまえなんかなぁ!センラくんの相手になるもんか!センラくんは俺が1番なんだぞ!!」

「.......................................。」

暗い顔をしているセンラにもお構い無しに、男はどんどんと怒りをぶつけてくる。
どうしたものかと困った時だった。

「ご主人タマぁっ♡」

「んぁ?」

蜂蜜のような甘い声で現れたのは、モコモコの可愛らしいにゃんこの制服に着替えたうらたさんだった。

うらたさんのキャット姿初めて見た...。

「ご主人タマっ♡良ければ特別に、僕があなたのお相手しますにゃん♡」

「うらたん.........っ!?」

「うらたさん!?」

まるで誘惑するメス猫のような声を耳元で囁かれた男性は、見事鼻の下を伸ばし猫撫で声で喋り始めた。

「えぇっ!?あの人気NO.1のうらたくん!?その猫ちゃんのご主人様が僕って事...?ぇへへっ、いいですいいです!枠譲りますっ!」

男性は、センラの腕からするりと外れると、今度はニヤニヤとうらたさんに近づいて行った。

てか、人気No.1ってうらたさんだったんか...
今なら納得できる気がする。

(早く行け)

口パクで俺らに伝えたうらたさんに感謝をし、センラの手を引いて部屋へと入っていった。

「.................................。」

「.................................。」

気まずい沈黙が流れる。
もっと話す事とか考えとけばよかった...なんて頭をかいていると、意外にもその沈黙を破ったのはセンラの方であった。

「...ご指名ありがとうございますにゃん。」

「あ、お、おん。」

「...本日は何をしますか?ご主人タマ。」

センラはどこまでも猫を被っていた。
けれど微かに震える手、合わない目線、なりきれていない猫。
全てがセンラがこの状況に困惑していることを物語っていた。

「センラ。」

「はい。」

「......これ。」

「.....................ッ!!」

センラに渡したのは、「折原千羅」と書かれた名刺。
あの時返し損ねたものだ。

「ごめん、今渡すもんやないってのは重々承知しとる。」

「.........ありがとうございます。にゃん。」

「センラ、俺と話さん?」

「......今は、ご主人タマと猫やから、その、お話なんかやなくて......っ」

「ご主人からのお願い、頼む.........っ」

営業モード中のセンラにとって、ご主人の願いは絶対。
渋々とセンラは会話する事を了承した。

「うらたさん、人気NO.1なんやね」

「え?」

「今日初めて知ったわ。」

「......んふふっ、あの人は凄いんやで。」

センラの硬い表情が、少し柔らかくなった気がした。

「多分志麻くんはセンラのお話、うらたんから聞いたんやろ?」

「............うん、ごめん。」

「ええよ、センラな............いや、俺な、折原であることがもの凄い嫌やった。」

「うん」

「嫌いな上司にその名前を呼ばれる度に憂鬱で、社会人になってから自分の名前、怒鳴りながら呼ばれる事しかなくて。」

「............。」

「......やから、会社辞めた時うらたんに会って...そんで この仕事を勧められた時、誰かに愛されたくてすぐ始めたんよ。」

「センラは体が汚れていくの、嫌やなかったん?」

「そりゃあ......きしょい客なんて沢山おるし、しんどいけど...それ以上にな、みんな優しい声で"センラ"って呼んでくれんねん。志麻くんやってそうやったろ?」

あぁ、そうか。

『............俺の名前呼びすぎ......っ』

あれ、嬉しかったんや。

「.........でもな、」

センラの声が、微かに震えた。

「愛されてるって思えんの、猫被ってるときだけやねん。」

「どういうこと...?」

「おれ、営業終わって 折原 千羅に戻った瞬間...いろんな人達に貰った愛が気持ち悪く感じるんよ、優しく呼んでもらった名前も...吐き気がする...っ」

センラは、"折原千羅"と"センラ"で気持ちを切り替えていたのだ。

愛を求める"センラ"と
普通の日常を求める"折原千羅"

愛を求めるため、折原千羅に猫を被せ 自分を偽ってきた。
可哀想な猫と可哀想な人間。

「おれ、本当は...また昔みたいに、しっかりスーツ着て、会社行けるように...なりたい」

「センラ...............っ、」

「でも......怖くて...普通の生活なんも出来んくて.........俺っ、どないしよって毎日......っ!」

初めて見た、センラの目からポロポロと涙がこぼれ落ちるのを。

鼻を啜って、肩を震わせて、眉を下げて。

そんな顔もするんや。

守りたい、黄色い猫をではなく、この人を。

「センラ、俺、愛してもええ?」

「へっ?」

「俺、夜だけじゃなくて、明るい太陽が登っている時間も沢山センラを愛したい。」

「それってどういう............」

「そのまんまの意味って言ったら...分かる?」

センラを両手で包み込むように抱きしめる。
センラの体温はとても暖かくて、心臓の音がドキドキと聞こえる。

あー、今の俺、センラにはどう映ってんのかな。
初めて会った時みたいに、キモイ客とか思われてへんかな。

そんな事を考えていると、背中にほんのりと体温を感じた。

センラの手が俺の背中に置かれ、俺よりも高いその頭が、すりっと俺の首にすり寄せられた。

暖かくて、ふわふわで、相変わらずの柑橘の香り。

「セン..................」

「うう"〜〜〜〜〜〜.........っっ」

顔は見えないけど、ボロボロと涙を零しながら震えているセンラの背中と頭を、俺は何も言わずそっと撫で続けた。

────────
──────
────
──
...

ピピピピ、ピピピピ

どれほど経っただろう。センラの涙が収まり、少しずつ落ち着きを取り戻してきた時に

聞きなれたタイマーの音が響いた。

タイマーの音が鳴っても、センラは俺から動こうとしない。

「センラ.........?」

「..................グスッ...」

「..................。」

センラの頭を撫でながら、代わりにボタンを押す。

ピッ

タイマーの音が鳴り止み、静寂が訪れた。

「......センラ、落ち着いた?」

「............うん、ごめん。」

「ええよ、沢山泣いたなぁ」

「ごめん...服、めっちゃ濡らしてもうた。」

「ええよ、もうタイマーも鳴ったとこやし、俺出た方がええよな?センラもうこの後客居ら...............ん"っ!?!?」

ベッドから立ち上がろうとした時、突然手を引かれ そのままシーツに倒れ込んだ。

目の前には天井と美人さんな顔。

「俺、もうこの後ご主人タマ居らんよ」

「え、あぁ、え?」

「もうにゃんこのセンラはおしまい。」

センラは猫耳を外すと、サイドテーブルに投げるように置いた。

「.........志麻くん、センラやなくて "俺"を抱いてや。」

「え、でも」

「もうあんたに猫被りたくないねん。」

強引なキスで興奮が一気に高まっていくのを感じる。

舌先が俺の舌を絡め取り、頭の中で絡み合う音が響く。
俺は無理やり口を離すと、そのままセンラを押し倒し返した。びっくりと少しの寂しさが混ざった顔のセンラに、自身が熱を持ち始める。

「......っ、先に言ったんはそっちやからな?」

「んふっ、ええよ、きて...っ♡」

──────
────
──
...

「はぁ"ッ、♡♡あ、ぅ"あ".........っ!♡♡」

「センラ、ゆっくり呼吸して...」

「んぅ"ッ......♡♡ぁ"や、やぁ"...っ♡♡♡」

センラの硬くなった自身にローションを塗りたくり、溶かすように扱いていく。
先走りが止まらず、センラの顔はもうトロトロだ。

「あ"ッ♡、ぁ......っ♡♡しま......ッ♡ぅ"♡」

「きもちいなぁセンラ♡」

「ふぁ.........ッ♡♡溶ける、とける...からぁ"......ッ♡♡♡はなし......てぇ"ッ♡♡♡」

「俺に扱かれて溶けそうなんや?なにそれ、可愛ええ♡」

「ん、ふ.........ッ!♡♡言わんといてっ♡」

勝手に腰が浮いて、ゆらゆらと揺れている。

可愛ええ、ホンマに可愛ええ

「センラ、せんらっ、こっち向いて?」

「ややぁ"ッ、♡いま、かお...ひどい...っ♡」

「そんな事ないよ、センラのお顔はいつだって綺麗やで」

「んぅ"ッ♡♡ぁっ、は、ぁ"ッ♡♡イきそ......ッ♡♡」

「1回イっとこか。」

センラの竿を握り直し、素早く上下に擦っていくと 面白いくらい大きく肩を揺らし、ガクガクと痙攣し始めた。

「ぅ''お"ッッ!?!?♡♡あ"ッ!♡♡♡や、ッッ♡ん"ぅ"っ...♡ぐ、ッ♡♡」

「ふはっ...そんな乱れてるセンラ、見るの初めてかも♡今まで可愛く見られるために我慢してきたん?」

「やぁ".........ッッ♡♡ィ"ッッッ......〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!ッ♡♡」

ぐちゅぐちゅと粘着質な音を立てながら激しく扱くと、センラは濃くて熱い白濁をビュッと勢い良く出した。

「ぅあ"ッッ♡♡はぁ、ぁ"......っ♡は...、♡」

「センラ...解すで?」

「うん.........っ、ゆっくり......♡」

また芯を持ち始めたそれから一旦手を離し、次に後孔へと手を伸ばした。

指先にたっぷりとローションを塗りたくり、ぷっくりとした蕾を撫でていく。

「ん.........ふ、っ.........♡」

「センラ、痛ない...?」

「痛い訳ないやろ...っ、何回志麻くんとヤる時ここ使ってると思ってんねん.........ッ」

「でも、本当のセンラとするのは初めてやん。ホンマは?ホンマに痛くない?」

「...............あぁ、そういう............」

センラの顔がさらに赤くなった。

「......痛くない、きもちぃ......」

「......よかったぁ。」

センラはそっぽを向きながらポソッと呟いた。最後なんかほぼ聞こえないくらい小さな声で。

猫被りな時と違いホンマのセンラはすぐに顔を真っ赤にして、照れて、素直やない。
どちらのセンラも可愛くて好きやけど、いざしっかりと愛を受け取ったセンラは反応がいちいち可愛すぎて心臓が持たない。

つぷッ...と1本の指が深く沈み、ゆっくりと2本に増やす。

「ふぅ.........ふぅ.........っ♡」

「センラのええとこ......どこやっけ」

「ん"ぁ......っ...♡そこ、へん......ッ♡♡」

「あ、分かった。ここやな」

「う"あ"ッッッッ!?!??!♡♡♡♡♡」

センラのイイトコロを指先でグリっと抉ると、ピュッとまた白濁が少し溢れた。

今度は2本の指でナカのしこりを挟み、クリクリと弄ると センラは目を白黒させて声を上げた。

「あ"ぇ"ッッ♡♡♡しまぐ...ッッ♡や、ぁ"ッ♡♡おかしく"ッ♡な"っ♡♡」

開いた口からはだらしなく涎が垂れ、目は焦点が合わない。

あーー...その顔エッロ...

「センラ、俺もう限界かも......っ」

「...............ッ」

「...?どうしたん?しんどい、?」

センラは突然不安そうな顔をし、俯いた。

「......センラ?」

「おれ、猫の時みたいに可愛く感じる事できひん...」

「え、?」

「俺...ホンマはもっと汚い声出るし、猫被ってないから...その、志麻くんに需要あるかわからん。」

「そんなん気にせんで.........」

「やって...!やって志麻くん、綺麗なセンラに惚れたんやろ.........っ?こんなおっさんの喘ぎなんか...需要無いし...」

こんなに自信なさげなセンラは珍しい。
でも、また新たな一面が見られたようで嬉しかった。

「何言っちゅうに。俺は"センラ"が好きなんやから、どんなセンラも愛せる自信しかないで?」

「.........ほんまずるいわ......っ」

「ん?」

「ううん、なんでもない。ならはよ抱いてや、どんな俺でも愛せよ?」

「当たり前やろ...............ッ♡」

「ん"ぅ"..................ッッ♡♡」

対面座位になって、センラのナカにゆっくりと入れていく。
ズプズプと生々しい音が鳴り、より興奮が高まる。どんどん奥に入るにつれ、センラの腰がガクガクと震えていくのがわかった。

「あ.........ッ♡あ"...ッッ♡しまくん、さ、支えて......!♡♡むりむりむり......ッッ"♡♡」

「センラ、ゆっくり。吸って...吐いて...」

「ふ......っ♡ぅ"っ♡あ、ッ♡は......ッッぁ"あっ♡♡......深い......ふかぃ"ぃ"......ッッ!♡♡♡♡」

「んふっ、俺の先っぽとセンラの奥がちゅうしとる♡」

「ちゅー、ちゅうしとる...ッ"♡あ"ッッ!♡まって"っっ!!♡♡まだ、動かん......あ"ッッ♡♡やッ"♡♡んッ♡んッ♡ん"ぅ"ッ♡」

ゆっくりと腰を打ち始めると、センラはガタガタと震えながら俺にしがみつき始めた。

「は......ッッ♡ぁ"っ、ちょ♡しま"ッッ♡くん"ッッ♡♡チカチカする"ぅ"ッッ♡♡♡ぁ"あ"〜〜〜ッッ♡♡ヤバいッッ♡ぉ"ッ♡♡」

「んッ...♡は、ぁ"っ♡センラ......ッ♡」

「はぁ、♡が♡♡っ...ま"♡っ"で♡♡♡あ...♡ふ...♡ん"ッッ♡♡」

バチュッ♡バチュッッ♡♡

とグロテスクな水音に息が上がる。
出し入れする度にセンラのナカがぎゅ〜ッ♡と、俺のを離さないとでも言うように締め付ける。

ローションやら体液やらで体もシーツもべちょべちょ。気づけばセンラの脚が俺の腰に絡まっていた。

「ふっ、ぁ"ッ...♡センラ、イく......ッ!外出すから脚退けて......っ」

そう、いつものように自身をセンラから引き抜こうとした。

しかし、センラはその脚を解いてくれない。

「ッッ?せんらっ?♡」

「んふふっ...♡しまくっ、♡ナカに出して...ッッ♡♡」

「えっ!?」

どんな風の吹き回しか、気ままで中出しを断固として拒否していたセンラが催促をしてきたのだ。

「ええよ♡♡しまくん、特別...っやもん♡♡」

「でも......っ!ほんまにええのっ?」

「ええから、っ!♡もう、俺余裕無いねんッッ♡♡♡」

センラの脚が更に強く絡まり、腰が完全にセンラと密着した。

「......ッッ、ならたっぷり注いだるわっ」

「んぁ"ッッ!♡♡は、ぁあ" ッッ♡しっ♡しまくん"〜〜ッッ!♡♡は、はや、ッッ♡はやいッッ!♡♡♡おれもッ、あ"ッッ♡♡イ"ぐ〜〜〜ッッ......!♡♡♡♡♡」

「ぅ"ッッ...♡」

ぶるっと腰を震わせ、センラのナカに精液をたっぷり吐き出す。
これでもかと擦り付けるように、しつこく腰を奥に奥にと進めていくと センラは痙攣を止めることが出来なくなった。

「あ"がッッ♡♡♡ぐっ......ッッ♡♡ぅ"〜〜〜ッッ......♡♡きてぅ"ッ♡あついの......ッッ♡♡♡」

センラのモノからゆるゆると色の薄くなった白濁が溢れて止まらない。

そんなセンラをお構いなく、俺は彼を押し倒した。

「んぇッッ?」

「センラ......ッ、奥の奥イかせて...ッ♡」

「ま......ッ、まって...!まって!!!」

そんな制御も俺には効かず、センラの奥のさらに奥の部屋をぶち抜いた。

ごぽッッ♡

「ぁ"ッ〜〜〜〜〜?!!?!!♡♡♡♡」

センラは目の前に火花を散らしながら、ほぼ色の無い白濁を吐き出した。

「ぉ"ッッ♡♡あ"ぁ"...ッ♡し......ぁ"ッ...♡♡」

ほぼ母音しか喋れなくなってしまったセンラにラストスパートをかける。

「センラ...ッ♡さ、さいご......っ!♡」

「しぁ"く゛...ッ♡♡お、おれ、ィ"ってぅ"...ッッ♡♡♡いま、イッてる、からぁ"〜〜〜ッッ♡♡」

「孕んでやッ♡♡種付けするからなッッ♡」

「ん"〜〜ッッ♡♡♡はらむッ"♡♡来てっ、しまくん"ッッ♡♡イくイく゛ッ♡♡♡ぅ"ッ♡♡ぁ"う"ッッッッ♡♡〜〜〜〜ッッ!♡」

「ぁ"ッ......!!!♡」

ホンマに孕んじゃうんのではないかってくらいの液を結腸口に擦り付けると、センラは自身からボタボタと音を立てて潮を吹いた。

多分、今までで1番ハードなセックスだったと思う。

「センラ.........せんら、大丈夫...っ?」

「ふ、ぁ..................っ♡し、ぁく...ッ♡♡」

完全にトんでしまったセンラを見て、罪悪感も背徳感に苛まれた。

「ええよ、センラ。眠って。」

「ん、ぅ......ありがと.........。」

センラはそう小さく呟くと、ゆっくり目を瞑って眠りについた。

その後 俺は1人でセンラの後処理をし、ゆっくりベッドに座りながら隣で眠るセンラの頬を静かに撫でた。

「センラ.........おれ、キモい客に見える...?」

眠っているから返事なんて来ないはずなのに、いや、返事が来ないからこそこんな質問をしてしまう俺は性格が悪いのだろうか。

『キモイ』

初めて言われた時の言葉を思い出す。

ごめん、俺、今のアンタには特別に見られたいねん。

俺が堕ちたんやから、アンタも堕ちてくれんかなぁって。

ごめん。ごめんなセンラ、この期に及んで俺は、今でもあんたの特別になりたくて泣きそうになっちゃうくらいダサい男なんよ。

なぁ、センラ。

「俺が何に見える............っ?」

「.....................。」

眠っていたはずのセンラの目が、ゆっくりと開いた。
そしてそのまま起き上がり俺の手を取った。

チュッ

「えっ、」

その手を頬に擦り寄せたセンラは

パフェを食べた時よりも、幸せそうな顔をしていた。

「特別にちゅーしたくなるほど、大切な人に見える。」

「え、ぁ、センラ、」

「んふふっ、あーあ。惚れてもうたなぁ。」

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